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なぜ、労災の「支援」が大切なのか

2016年06月27日

そもそも、なぜ労災には適切な社会的支援が必要と考えているのか、ひいてはこのようなホームページを立ち上げているのか、といったことを少し書いておきたいと思います。

そもそも、過労死や過労自殺などのご遺族、労災事故に遭われて休職をしたり退職せざるを得なくなった方々、パワハラ被害などに遭われた方々、このような方々は多くの場合、職場、いや社会で「孤立」した環境に置かれてしまっているケースが非常に多いと考えています。

誰にも相談できず、会社から適切な補償を受けようにもどこに支援を求めてよいのか分からない、また、労基署に相談をしても対応をしてくれない・・・・

なぜ大切な家族が亡くなったのか、実態をできる限り解明したいと思うけれど、会社に調査を求めても真実かどうかも分からない、むしろ何か大切なことが隠されている気がする、疑問を感じてモヤモヤしているが親族に相談しても会社と対立するようなことは止めるよう忠告される。

このような状況で、多くの労働者やご遺族は、適切な情報を得られないままに、社会的に個人として「孤立」していきます。

ここで、ある精神科医は次のことを指摘しています

「社会的支援ほどストレスのレベルに影響を与える要因はほかにない」
「孤立はすべての精神的ストレッサーの中で最も破壊的なものの1つ」

引用:臨床精神医学講座5・神経症性障害・ストレス関連障害・415頁

よく自殺予防対策の標語として、「孤立を防ぐ」ということが言われますが、メンタルヘルスや労災の予防・補償の場面でも全く同じことが当てはまると考えています。

「孤立を防ぐ」

そのために、弁護士が、問題解決のための有効かつ強力な社会的資源として、労災に関する専門的な知識を用いた適切な社会的支援を行う。

このことが、労災補償の支援を行う大きな目的の一つです。

上記の精神科医は次のことも指摘しています。

「患者に対する共感や配慮といった情緒的支援はいうまでもなく、その患者の負担を物理的精神的に肩代わりしたり、適切な対処に関する情報を与えたり、さらには患者の自己評価を適正化する情報を与えたりすることにより、その患者の最も自然的な治癒能力は賦活される」

引用:臨床精神医学講座5・神経症性障害・ストレス関連障害・415頁

つまり、適切な支援が与えられることによって、その人自身の生きる力もまた再生されるということです。

上記記述は精神疾患の患者を念頭に置いたものですが、精神疾患を発症するというところまでいっていなくとも、労災被害に遭われた方々に労災補償に対する適切な対処を支援することで負担を軽減し、労災によって弱ってしまった社会的に生きる力を賦活する手助けをしたい、そう考えています。

そのためには、社会的あるいは精神的に個人として「孤立」している方にきちんと届くような内容にしなければと考えているのですが、日々の事件の忙しさにかまけて、ホームページの立ち上げ以来、全く更新をせずにきました。最近は、これではいけないな、と痛感しています。

今後は可能な限り、このHPでも適切な情報を発信していければ、と思っています。

posted by YoshihideTachino at 22:19 | TrackBack(0) | その他

厚生労働省から、平成27年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました

2016年06月27日

厚生労働省から、平成27年度の「過労死等の労災補償状況」が 公表されました。
詳細は下記の厚生労働省HPをご覧ください。

平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000128216.html

タグ:過労死
posted by YoshihideTachino at 22:09 | TrackBack(0) | お知らせ

過労自殺事案で、労働保険審査会で業務の過重性が肯定され、逆転裁決となり労災認定

2016年06月24日

先にご報告していたとおり、平成28年6月21日に報道されましたが、可能な範囲でご報告します。

【事案の概要】

被災者(30代・男性)は、建築用資材の土砂の仕入れ及び販売を事業とする会社に入社し、同社が経営する金券ショップの店長として、金券、チケット等の仕入れ販売業務に従事していました。

当方は、労基署に対し、途中から金券ショップが被災者一人での営業となり、そのため長時間労働や連続勤務による疲労に加え、ノルマというべき経費や自身の給料分の売上げを達成できていなかったこと、淡路の土砂事業についても新規に担当となり、休日に対応せざるをえなかったこと等により、うつ病エピソードを発病し、自死したものと主張していました。

ところが、労基署により業務の過重性が否定され、その後、労働者災害補償保険審査官に審査請求をして、これも棄却されたので、労働保険審査会に再審査請求を行いました。

平成28年1月、労働保険審査会は、業務の過重性を認める逆転裁決を下し、労災認定されました。

【裁決のポイント】

被災者は、週における唯一の休日である日曜日にも、土砂関連事業のため淡路島へ社長に同行していました。

ところが、労基署は、上記同行について、業務を目的にしていたとは客観的に認められないとして、業務として評価しませんでした。社長は、労基署に対して、「気晴らしのため」同行させていたなどと供述していました。

しかし、審査会は、社長が、ある時期から淡路島で土の販売業務を行っており、淡路島へは仕事の段取りを決めるため業務目的で出張していたこと、また、被災者を上記出張に同行させていたのは、今後取り組むこととなる淡路事業を学んでもらうためであるとしていること、運転業務や打ち合わせの立会いも認められることから、上記同行を業務と認定し、宝くじの販売期間を含め、33日間の連続勤務が認められるとして、心理的負荷の強度を「強」と判断し、業務の過重性を肯定しました。

【裁決を受けて思うこと】

今回、労働保険審査会から逆転裁決を得ることができましたが、社長の出張に同行していたことを、当事者である社長の供述のみに依拠して、被災者の業務ではないと評価した労基署、審査官の評価の仕方は、社会通念から見ても妥当性を欠くものと言わざるを得ません。

このように、民事リスクを負った社長や上司らの供述のみから不自然な評価・判断をされて、労災として認められないケースは他の過労死事案等でも多く見受けられ、供述の信用性評価のルール、事実認定における基本的な作法を今一度見直していただく必要があると思っています。このような評価の仕方で、労災として認められず、悔しい思いをされた方は多いのではないでしょうか。

常識に照らした適正評価を労基署、審査官にしていただくようにするためにも、このような評価のあり方の問題を訴え続ける必要があると感じています。

posted by YoshihideTachino at 14:46 | TrackBack(0) | 裁判

平成28年6月21日付けの朝日新聞朝刊で報道されました

2016年06月24日

私が担当した事案が平成28年6月21日付けの朝日新聞朝刊で報道されました。

自殺、国の審査会は「労災」 労基署判断から一転 大阪
朝日新聞デジタル版はこちら
記事のPDFはこちら

posted by YoshihideTachino at 10:06 | TrackBack(0) | お知らせ

残業代請求における割増賃金計算表について

2016年06月18日

残業代請求においては、訴状には労働時間表を添付するのが通常です。

この労働時間表、割増賃金計算表について、弁護士は、他の法律事務所が作成・配布されているもので、ネット上でダウンロードできるものを使用していることが多いようです。

しかし、私は、自分でエクセル関数を含めて作成して、訴状でもこれを使用しています。これにより遅延損害金も含めて自動で算定できるようになっています。

実は、ある程度汎用性のある書式を作成しようと思えば、労働基準関連法令など、残業代の計算方法や労働時間の算定の仕方について、細かく正確な知識が要求されるのです。

なので、本当は、残業代請求事件をきちんとしようと思う弁護士であれば、一度は自分で作成してみることをお勧めします。

例えば、1週間40時間の法定労働時間を超えた労働時間は、いわゆる残業時間になりますが、では1週間の起点は何曜日?どうやって決まるの?法定休日っていつ?暦日をまたいで勤務をしたときはどうなるの?といったことも含めて。

作成するのは結構苦労しましたが、一度作成してみると何となく達成感もあります。

posted by YoshihideTachino at 22:17 | TrackBack(0) | 労働と法律